みそじのおんかつ

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音活真っ盛りのおばちゃんです。

【今月のオススメ記事】

RX Elementsが無償配布されているので、特に気をつけた方が良いノイズを紹介



こんにちは、さとう(@sayakasato00)です。

現在日本限定でRX Elementsが無償配布されているのはご存知でしょうか。そもそもRXを知らない方のために説明すると、演奏時に発生してしまったノイズや予期せぬノイズなどを簡単に、そして綺麗に除去する事が出来る画期的なソフトになります。スタンドアローンでもプラグインとしても使用する事が出来、宅録やライン録り、更にはセミナーなどにも無くてはならない存在となっています。

そこで今回私がCDの視聴検品と言うなんともレアな仕事をしていた時に「演奏ノイズで特に気になったもの」をご紹介していこうと思います。演奏ノイズは駄目なノイズでは無いのですが…無いほうが絶対に良いと言うものが多いので、今後制作の上で参考になれば幸いです。

また公式noteにどの機能で何のノイズが取れるのか詳しく書いてありますのでぜひ参考にしてみて下さい。

note.com

そもそもCDの視聴検品とは

正直かなりのレアな仕事になると思いますので、ググったりしてもなかなか情報は出てきません。しかし、世の中のCDを発売するためにはとっても必要な仕事になります。今回はその仕事をまず簡単にご紹介します。

CDの視聴検品とは
演奏時に発生したノイズ以外の本来発生していけないノイズ(マスターを作る際に何らかの理由で発生してしまうノイズ)や、音切れなどマスターに不備が無いかを全て自分の耳で確認していく仕事です。
世の中の販売されているCD(プレス工場を通すもの)は基本的に全てこの作業が行われています。契約内容によっては頭切れ・お尻切れのみを確認する場合もあります。


要するに皆が聞く前の音源を聞く事が出来て、なおかつそれがこれから世の中に出回るものになるのでめちゃくちゃ重要な仕事です。有名なアーティストの音源を聞く事も何度もありましたが、胃が痛い…自分に全責任があるので緊張します。しかし、常に様々な音楽が聞ける環境だったので、天職でもありました。

そこで発生する「演奏ノイズ」というものは「演者が意図して発生させている問題ないノイズ」として処理されます。たまにこんなに発生してて大丈夫かな…と思うようなものもありましたが、仕事内容上、それが駄目になると言うことは無いのでそのままプレスされ、流通されます。仕事者としてそれは決して間違いでは無いのですが、演者としてはどうだ?と思うノイズが結構ありました。

実はこういう話は個人やマイナーレーベル以外にもあるあるな話です。ですので、全てのノイズが悪では無くポイントとしてわざと残すのは有りなのだと思います。しかしノイズが大きすぎて演奏を妨げるようなものは良くないなと思います。

ノイズ①ボフノイズ(Vo)

マイクに向かって歌ってる時に発生しやすい「ば行」や「は行」など破裂音が発生しやすい音によく見られます。これが発生してしまうとリスナー側はびっくりします。本当に。

たまにミックスをする時にボフノイズがあるとちょっと大きな音量でミックスしてた日にはビクってなります。これ歌ってる時点で気が付いて直してあれば何よりなんですけど、ミックスの時点でも見逃したらリスナーがびっくりします。

しかも有名アーティストならまだしも、インディーズであればそこで視聴するのをやめられてしまうかもしれない位の危険なノイズです。これは絶対に取りましょう。

ノイズ②歯擦ノイズ(Vo)

これもボーカルノイズで「さ行」などに発生しやすい「C」「F」「S」「Sh」「X」の音です。これはボーカルのキャラクター・楽曲の雰囲気によっては武器になる音ではあるのですが、ずっと鳴り続けていると不快な音です。ポイントとして取り入れる程度で基本的には除去するべきです。

リスナーが歯擦ノイズの多い曲を聞くと耳に不快感を感じるので、最後まで聞いてもらえない可能性が高いです。

ノイズ③ペチャ・ピチャ等の口内のノイズ(Vo)

これもボーカルノイズです。歌っている最中は口を開け締めするのでどうしても発生するノイズなのですが、リスナーとしては不快な音です。

口を開けてくちゃくちゃと食べる人がいますがあの音に似た音がします。この音も絶対に取るべきノイズだと思います。

ノイズ④音漏れ

これはノイズとは違うのですが、録音をしている時にヘッドホンから漏れている音をマイクが拾ってしまいノイズになるものです。

ブレイク等の無音・ボーカルだけになる箇所でクリックが聞こえるなど、理由は様々ななのですが、バラードなどの世界観が大切な曲でそのような音が聞こえると雰囲気が壊れかねません。特に世界観が強めな曲を作っている人は気にするべきノイズになります。

ノイズ⑤アンプからの「ジー」「サー」(Gt・Ba)

エレキギター・エレキベースなどで発生しやすいノイズです。意図的にノイズを発生させ、FXのような使い方をするのであれば全く問題は無いのですが、ただ鳴っている、無音にするべき箇所で鳴っているハムノイズは駄目なノイズになります。

例えばロックで演奏がビタっと止まったのに「ジー」なんてアンプのノイズが発生していたら拍子抜けしませんか。こちらも先程と同じように世界観を壊しかねないノイズになってしまう場合はしっかりと除去しましょう。

ノイズ⑥弦楽器のガリ(弦楽器全般)

こちらも演奏で発生してしまいやすいノイズなので、全てが駄目というわけでは無いのですが、「ガリッ」というノイズが大きすぎると耳障りな音になります。

意図的に発生させるノイズ(弦をスクラッチする)でない限りは気にかけるべきノイズの一つになります。

まとめ

ここでは主に「このノイズは視聴時間を下げかねない」と言うノイズをメインにお話しました。その他にもオケと馴染ませやすくするために部屋の鳴りノイズは消したほうが良いなどもあります。また、宅録あるあるでエアコンや道路のノイズなんかも取り除くべきノイズです。

特にノイズを気にするべきはボーカルだと思います。声を使っている分様々なノイズが発生します。それは当然の事なんです。ですので、より良いボーカル音源にするためにRXを使ってしっかりとリスナーに届けられる音源にするべきだと考えています。

RX Elementsは6日までの無償配布となっていますので、ぜひ手に入れて下さい。