音楽業界の闇の部分教えます【登録料のある事務所】
はじめに
この話は私が実際に体験したものであり、インディーズ事務所の全てを否定するものではありません。また、この事務所が詐欺なのかどうかは分かりかねます。しかし、私のように最初に金銭を要求される音楽事務所は疑うべきです、という注意躍起となります。特に若い方は安易に「お金を払えばデビュー出来ます」などの言葉に騙されないようにして下さい。また、その事務所に所属するアーティストの夢を潰そうという意図はありませんので特定等もお止め下さい。記事内のメッセージや発言等に関しては大筋に変化が起こらない程度の改変を行っています。
第一話(昨日の記事) からの続きになります。
登録料という名の大金
皆様ご存知の通り、バンドマンはお金がない。例に漏れず私もお金がない。
登録料の話を聞いて固まる私。
Aさん「すぐにデビュー出来るレベルではないからレッスンの費用も含まれるんだ。ただ魅力的な声だし、上手くなって欲しいから。」
勿論その時の私はお世辞にもものすごい歌がうまいとか言えないレベルでしたし、自分でも自覚していました。魅力的な声という言葉にグラッグラです。揺れまくります。
さ「ちなみに幾らなんですか?」
Aさん「50万円なんだけど」
あー無理だ。当時の私にはそんなお金はございません。良いお話だったけど諦めて帰ろうか、と思ったら社長登場。
社長「少しお話しませんか?」
さ「なんでしょうか…」
社長「前向きに考えていただけているかな?と思って」
さ「考えたいのですが…幾分お金が用意出来ないので」
社長「今すぐそんな大金用意するのは確かに難しいですよね。じゃあ金融会社に借りませんか?」
さ「え?…え?」( ゚д゚)
社長「借金を作るのは勿論不安もありますよね。でも、支払いはカードを預けてくれれば僕がやります。」
さ「え?…え?」( ゚д゚)
※ちなみに金融会社から発行されたカードは本人のみが使用できるものです。他人に貸し出す事、他人が使用する事は禁止されています。
(アコムHPより抜粋)
こんな当たり前の事も考えられない程、私は音楽事務所という言葉と魅力的な声という言葉の魔力にやられてたんだと思います。
さ「それなら…やります」
と答えてしまったんですよ。そこから、まー早かったです。
社長とAさんが各金融会社の電話番号を調べ、融資希望の電話を私がかけるという訳の分からない共同作業がスタート。
大体最初から50万円融資してくれる所はありませんので、簡易審査の結果3社で
O社 10万円
P社 20万円
Q社 30万円
の融資が可能とのご連絡を頂けました。
50万円ならP社とQ社からだけ借りれば済むはずなのでその2件を回れば済むはずなのですが、
社長「電話での審査はあくまで簡易審査ですから、窓口へ行って満額借りれるなら全社から借りて来て下さい。」
まあ、確かに確定の金額では無いしその方が確実かな…と訳の分からない納得をし、Aさんと共に金融会社を回る旅に出ました。
※この時点で話がおかしいのは読んでいる方なら分かると思います。しかし、男性二人に監視されるように見られ精神的に疲れ切り、早く帰りたい気持ちが大きかったのです。
飴と鞭と無知
無人窓口に入り、審査をお願いし、融資出来る金額を全て引き出し、Aさんに渡す。
結果、全社から電話で融資が出来ると言われた金額全て借りる事が出来ました。
金額60万円。
最初に登録料として聞いていた50万円を超えていましたが、自分が支払わなくて良いこと、早く帰りたい事が重なり、何も考えずに60万円全てをAさんに渡していました。
O社から順番に回り、Q社から出た時は夕方になっていました。
一度事務所へ戻り、書面にサインをし、金融会社から頂いたカードを社長に渡し、暗証番号をお伝えし、次は●日に事務所に来て下さいという連絡を頂き、帰りの電車に乗った時は外はすっかり暗くなっていました。
Aさん「これから一緒に頑張りましょうね!」
社長「売れればこんな借金すぐなくなりますよ。きっとさとうさんなら大丈夫です」
という飴をお土産に帰りました。
先程監視していたような怖い二人ではなくなりました。
1日で60万円の借金持ちになりました。
しかし田舎娘は無知。自分が支払わなくていいという事で安心していました。
飴と鞭の使い分けが上手な人は無知を食い物にして生きているのです。